MLMの副業に興味はあるものの、一体ネットワークビジネスの何が悪いのか、具体的なリスクが分からず悩んでいませんか。
特に、ネットワークビジネスが副業禁止の会社員や公務員の場合、どのような問題があるのか気になるところでしょう。
また、「ネットワークビジネスで副業をしたらバレますか?」という疑問や、「副業で月20万稼いだらバレますか?」といった収入に関する不安も大きいかもしれません。
さらに、確定申告やネットワークビジネスでの職業欄の書き方、代表的なネットワークビジネスの化粧品一覧など、実践的な情報も求められていることでしょう。
この記事では、MLMを副業として検討する上で避けて通れないこれらの疑問に、専門的な視点から徹底的に解説します。
記事のポイント
この記事でわかること
- MLMが副業として推奨されない具体的な理由
- 副業が禁止されている会社員や公務員がMLMを行うリスク
- 副業収入が会社にバレる仕組みと税務上の対策
- MLMの副業収入に関する確定申告の基本
MLMの副業を始める前に知るべきこと

- ネットワークビジネスの何が悪いと言われる?
- ネットワークビジネスは副業禁止の会社が多い
- ネットワークビジネス化粧品の一覧を紹介
- ネットワークビジネスでの職業欄の書き方
ネットワークビジネスの何が悪いと言われる?

ネットワークビジネス(MLM)が副業として推奨されない、また「悪い」と言われるのには、主に3つの理由があります。
第一に、圧倒的に稼ぐ効率が悪い点です。
MLMで扱われる商品は日用品や化粧品が中心ですが、単価が低い商品を紹介しても得られるマージンはごくわずかです。
大きな収益を上げるには、自身の下に多くの会員を組織し、その会員たちが商品を販売・購入し続ける必要がありますが、これは非常に困難と言えます。
結果として、セミナー参加費や商品購入費ばかりがかさみ、収益がマイナスになるケースも少なくありません。
第二に、社会的な信用の低さが挙げられます。
過去に目的を隠した強引な勧誘や、「誰でも儲かる」といった誇大広告が横行したため、MLMは「ねずみ講」と混同されがちで、世間的なイメージは決して良くありません。
実際に、消費者庁にはマルチ商法に関する相談が毎年1万件前後寄せられており、大手企業が特定商取引法違反で行政処分を受ける事例も発生しています。
そして第三の理由は、人間関係を損なうリスクが高いことです。
MLMは友人や知人を勧誘の対象とすることが多く、ビジネスに興味のない相手にしつこく勧誘すれば、これまでの信頼関係を一瞬で失いかねません。
お金を稼ぐために始めた副業が、結果として大切な友人や家族との関係を壊してしまうのでは本末転倒です。
MLMが抱える主な問題点
MLMを副業として検討する際は、これらのデメリットを十分に理解しておく必要があります。
安易に「権利収入」や「不労所得」といった言葉に惹かれて始めると、時間、お金、そして大切な人間関係まで失うことになりかねません。
ネットワークビジネスは副業禁止の会社が多い

多くの企業では、就業規則によって従業員の副業を制限または禁止しています。
特にネットワークビジネス(MLM)は、一般的な副業以上に厳しく見られ、明確に禁止しているケースが多いのが実情です。
会社がMLMを禁止する主な理由は以下の通りです。
- 職務専念義務への抵触: MLMの活動に時間を取られ、本業の業務に集中できなくなる懸念。
- 会社の信用毀損: 従業員が会社の名前を利用して勧誘するなど、企業の社会的信用を損なうリスク。
- 職場環境の悪化: 同僚や部下を勧誘対象とすることで、職場内での人間関係トラブルに発展する可能性。
もし会社の就業規則で副業が禁止されているにもかかわらずMLMを行っていることが発覚した場合、懲戒処分の対象となる可能性が非常に高いです。
処分の内容は、最も軽い戒告や譴責(けんせき)から、減給、出勤停止、そして最も重い懲戒解雇に至るまで様々です。
副業を始める前の確認事項
副業を検討する際は、まず自社の就業規則を必ず確認しましょう。
「副業可」となっていても、「会社の許可が必要」「競合他社の業務は不可」などの条件が付いている場合があります。
MLMはトラブルに発展しやすいため、許可制の場合は承認されない可能性が高いと考えるべきです。
軽い気持ちで始めてしまい、本業のキャリアを失うことのないよう、慎重な判断が求められます。
ネットワークビジネス化粧品の一覧を紹介

ネットワークビジネス(MLM)で取り扱われる商材は多岐にわたりますが、中でも化粧品や健康食品は代表的なカテゴリです。
これらの商品はリピート購入が見込めるため、MLMのビジネスモデルと相性が良いとされています。
以下に、化粧品を主力製品とする代表的なMLM企業をいくつか紹介します。
| 企業名 | 主な製品カテゴリ | 特徴 |
|---|---|---|
| 日本アムウェイ | 化粧品、栄養補給食品、洗剤 | 世界最大手のMLM企業。「アーティストリー」ブランドの化粧品が有名。 |
| ニュースキンジャパン | 化粧品、栄養補助食品 | エイジングケアに特化した製品が多く、美容機器なども扱っている。 |
| モデーアジャパン | 化粧品、健康食品、日用品 | 製品の安全性を重視し、有害物質を含まないとされる製品ラインナップが特徴。 |
| ノエビア | 化粧品、医薬部外品 | 対面カウンセリングを重視した販売スタイルで、自然派化粧品を主力とする。 |
製品購入に関する注意点
これらの企業の製品は、品質が良いとされるものも少なくありません。
しかし、MLMでビジネス活動を行うためには、自身がまず製品の愛用者になることが求められ、継続的な製品購入(オートシップ契約など)が必要になるケースがほとんどです。
ビジネスとして成功しなかった場合、結果的に高額な商品を使い続けるだけになる可能性も考慮しておく必要があります。
ネットワークビジネスでの職業欄の書き方

ネットワークビジネス(MLM)を副業として行い、確定申告をする際や各種契約書で職業を記載する際に、「職業欄に何と書けばよいのか」と悩むことがあります。
MLMの活動は、企業に雇用されて給与を受け取る形態ではないため、「会社員」ではありません。
基本的には、「個人事業主」として活動していることになります。
そのため、職業欄には以下のように記載するのが一般的です。
- 個人事業主
- 自営業
- 販売員
- セールス
より具体的に記載する場合は、「化粧品販売」「健康食品販売」のように、取り扱っている商材を記載することも可能です。
確定申告の際には、MLMからの収入は「事業所得」または「雑所得」として申告しますが、その際の職業欄にも同様に記載します。
職業欄記載のポイント
重要なのは、自身の活動実態に即した記載をすることです。
ただし、ローン審査などの場面では、「ネットワークビジネス」や特定の企業名を記載すると、収入の安定性が低いと見なされ、審査に不利に働く可能性もゼロではありません。
「個人事業主」や「販売員」といった一般的な表記が無難と言えるでしょう。
MLMの副業がバレる原因と税金の知識
- そもそも副業が禁止されているケースとは
- 公務員がネットワークビジネスを行う注意点
- ネットワークビジネスの副業はバレますか?
- 副業で月20万稼いだらバレますか?住民税
- 副業収入における確定申告の必要性
- MLMの副業を始める際の最終チェック
そもそも副業が禁止されているケースとは

副業が禁止される背景には、法律による規制と、各企業が定める就業規則によるものの2種類が存在します。
法律で原則禁止されているケース(公務員)
まず、公務員は法律によって営利目的の副業が厳しく制限されています。
これは、国民全体への奉仕者という立場から、特定の企業や個人の利益のために働くことを防ぐためです。
具体的には、国家公務員法や地方公務員法で以下の「三大原則」が定められており、MLM活動はこれらに抵触する可能性が極めて高いです。
- 信用失墜行為の禁止: 公務員全体の信用を損なうような行為の禁止。
- 守秘義務: 職務上知り得た秘密を漏らしてはならない義務。
- 職務専念の義務: 勤務時間中は職務に専念しなければならない義務。
会社の就業規則で禁止されているケース
一方、民間企業の場合、法律で副業が一律に禁止されているわけではありません。
しかし、多くの企業が就業規則で副業を禁止または制限しています。
前述の通り、MLMは本業への支障や情報漏洩、社内トラブルのリスクが高いと見なされるため、許可される可能性は低いでしょう。
規則に違反すれば懲戒処分の対象となるため、安易な判断は禁物です。
トラブルに発展しやすいMLMは、解禁の対象外と考えるのが現実的ですね。
公務員がネットワークビジネスを行う注意点

結論から言うと、公務員がネットワークビジネス(MLM)を行うことは、法律違反となり懲戒処分の対象となる可能性が極めて高いです。
公務員の副業は、国家公務員法(第103条および第104条)、地方公務員法(第38条)によって厳しく制限されています。これらの法律では、職員が営利を目的とする私企業の役員を兼ねたり、自ら営利企業を営むこと(自営)を原則として禁止しています。
MLM活動は、商品を販売して利益を得たり、会員を勧誘して組織を拡大することで報酬を得るビジネスモデルであり、これは明確に「営利目的の事業」に該当します。
「権利収入だから副業ではない」は通用しない
MLMの勧誘では「これは労働収入ではなく権利収入だから、副業にはあたらない」といった説明がされることがありますが、これは全くの誤りです。
収入の種類にかかわらず、営利を目的とした継続的な活動であれば、法律上の「自営」と見なされます。
このような誤った解釈を信じて活動を始めると、発覚した際に深刻な事態を招きます。
実際に、副業が発覚して懲戒処分を受けた公務員の事例は数多く報告されています。
処分は減給や停職に留まらず、悪質なケースでは免職となる可能性も否定できません。
安定した公務員の職を失うリスクを冒してまで、MLMに取り組む価値があるのか、冷静に判断する必要があります。
ネットワークビジネスの副業はバレますか?

「会社に内緒でやればバレないのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、結論として、ネットワークビジネス(MLM)の副業は非常にバレやすいと言えます。
副業が発覚する主な原因は、主に以下の3つです。
- 住民税の金額変動
- 同僚や知人からの口コミ
- SNSなどでの発信
この中で最も確実性が高く、自分ではコントロールしにくいのが「住民税」です。
会社員の場合、住民税は毎月の給与から天引きされる「特別徴収」という形で納付されています。
会社は、税務署からの通知に基づき、従業員一人ひとりの住民税額を把握しています。
MLMで収入を得て確定申告をすると、その所得(儲け)に応じて住民税の額が増えます。
すると、本業の給与だけでは説明のつかない住民税額の通知が会社に届き、経理担当者から副業を疑われるきっかけとなるのです。
秘密を守り通すのは想像以上に難しいものです。
副業で月20万稼いだらバレますか?住民税

副業に関する税金の話でよく聞かれるのが、「年間の所得が20万円以下なら確定申告は不要」という、いわゆる「20万円ルール」です。
これを根拠に、「20万円以下の儲けならバレない」と考えるのは大きな間違いです。
このルールは、あくまで所得税の確定申告が不要になるというだけで、住民税の申告は別途必要になります。
所得の大小にかかわらず、副業で所得が発生した場合は、お住まいの市区町村に申告する義務があるのです。
そして、この住民税の申告を行うと、前述の通り、本業の会社に通知される住民税額が変動します。
つまり、たとえ所得が20万円以下であっても、住民税の申告を通じて会社に副業がバレる可能性は十分にあります。
会社にバレにくくする対策は?
確定申告や住民税申告の際に、副業分の住民税の徴収方法を、給与から天引きされる「特別徴収」ではなく、自分で納付書を使って納める「普通徴収」に切り替えるという対策があります。
これにより、副業分の住民税額が会社に通知されなくなるため、バレるリスクを大幅に軽減できます。
ただし、自治体によっては普通徴収への切り替えを認めていない場合や、手続きを忘れてしまうリスクもあります。
100%バレない方法ではないことは理解しておく必要があります。
副業収入における確定申告の必要性

ネットワークビジネス(MLM)で得た収入は、原則として確定申告が必要です。
会社員の方でも、給与所得以外の所得(MLMによる所得など)の合計が年間20万円を超える場合は、所得税の確定申告を行わなければなりません。
MLMによる所得は、その活動規模に応じて「事業所得」または「雑所得」として申告します。
- 事業所得: 本業として、あるいは継続的・安定的に相当の収益を上げて活動している場合の所得。青色申告が可能で、最大65万円の特別控除など税制上の優遇措置を受けられます。
- 雑所得: 副業として片手間で行っている場合や、所得がまだ少ない場合の所得。
確定申告では、収入から必要経費を差し引いた「所得」に対して税金が計算されます。
MLM活動において経費として認められる可能性のある費用には、以下のようなものがあります。
- セミナーや勉強会の参加費
- 勧誘活動のための交通費やカフェ代
- ビジネスに関する書籍代
- 電話代やインターネット通信費(事業使用分)
無申告はペナルティの対象
確定申告を怠ると、本来納めるべき税金に加えて、「無申告加算税」や「延滞税」といったペナルティが課せられます。
税務署の調査能力は高く、「手渡しでもらった報酬だからバレない」ということはありません。
収入がある以上、ルールに従って正しく申告・納税することが重要です。
MLMの副業を始める際の最終チェック
最後に、行動を起こす前に確認すべき重要なポイントをリストアップします。
- MLMは稼ぐ効率が悪く時間や費用を失うリスクがある
- 社会的イメージが悪く友人や家族との人間関係を損なう可能性がある
- まず自社の就業規則を確認し副業が禁止されていないか調べる
- 特にMLMを名指しで禁止している企業も多いことを理解する
- 公務員は法律で営利目的の副業が原則として固く禁止されている
- 「権利収入だから副業ではない」という勧誘文句は誤りである
- 副業収入は住民税の金額変動によって会社にバレる可能性が高い
- 所得が年間20万円以下でも住民税の申告義務は存在する
- 住民税を「普通徴収」にすればバレるリスクは軽減できるが完璧ではない
- 確定申告は年間所得20万円超で義務となる
- MLMの収入は事業所得または雑所得として申告する
- 活動にかかった費用は必要経費として計上できる
- 無申告は無申告加算税などのペナルティ対象となる
- 失う可能性のあるもの(本業のキャリア、信用、人間関係)を天秤にかける
- 他の健全でスキルが身につく副業も検討する
